開店・開業ノウハウ Opening know-how
店舗探しのポイント
さまざまな店舗の種類
店舗物件とは、通常賃貸ビルなどの1階にある 「路面店」と呼ばれている不動産物件をさします。
ビルの地下や上層階にある店舗スペースも路面に あるわけではないですが、これに準じます。
一方、百貨店やスーパー、駅ビルやショッピングセンターなどのような商業施設のなかで、あらかじめ店舗スペースを壁などで区切らず貸している店舗は「インショップ」と呼ばれま す。商業施設内の飲食店舗は、給排水設備や防火区画などの問題からフロアのなかでも出店できるスペースがかなりかぎられています。
インショップの場合、貸主(デベロッパー)である百貨店やスーパーなどが自社でも 核店舗として出店している場合と、専業の商業デベロッパーや再開発計画による 商業施設のように、自社では直接売り場を持たない場合があります。後者には、 権利関係者が複雑な物件も少なくありません。 事前にどのような利害関係にあるのか 把握していないと、あとでトラブルの原因にもなりかねませんから要注意です。
店舗物件の種類
契約形態 | 店舗例 | 家賃方式 | 注意点 | |
---|---|---|---|---|
賃貸店舗 | 賃貸借契約 | 一般商業ビル オフィスビル マンション 戸建建物 | 固定式 | – |
インショップ | 賃貸または 業務委託契約 | 百貨店 スーパー ショッピングセンター 駅ビルや地下街 | 固定+歩合賃料 (どちらかひとつの場合もある) | 固定+歩合賃料 (どちらかひとつの場合もある) |
分譲店舗 | 購入 | 一般商業ビル 独立店舗 公営住宅の分譲店舗など | なし | あとで売却が可能かどうか |
土地物件 | 賃貸または購入 | 土地賃貸 建て貸し(リースバックなど) | 地代または家賃 (固定) | 店舗を建てる場合、設備工事の費用を必ず確認 |
儲かる店舗の種類
店舗物件の判断基準はまず、原則として1階であることです。 地下や2階以上の店舗は、1階に比べると集客力が落ちます。ただし、都心の繁華街なら 地下と2階まではOKですし、2階でも路上から店内が確認できる場合は別です。 3階以上の店舗は十分に検討が必要です。 店舗物件の判断基準のポイントには、ほかに次のようなものがあります。
認知性・視認性
遠くからでも、そこに何の店があるのかが見えるわかりやすさのことです。 目に触れる機会が高ければ高いほど、利用してもらえる可能性が増えます。 歩行者からお店が見えることは最大のポイントです。 店舗物件を探すときは、お店のまわりを歩いて、「どこから見えるか」 「どのくらいの距離から見えるか」「どんなふうに見えるか」などを確認しましょう。
建物構造
店舗物件の入っている建物の形、入口の場所と広さ、建物の大きさい、店舗の階数などが 大きく影響します。また、看板の取り付け位置や専用の入口・階段があるかどうかも重要です。
敷地条件
建物の建っている土地の形、位置、道路づけ、歩道・車道の幅、車線数、中央分離帯、 街路樹、信号、横断歩道などの状態がどうなっているか、といったことです。
店舗物件のチェックポイント
- 階数は何階か
- どちらの方角からお店が見えるか
- 店のどこが見えているか
- どのくらいの距離から見えるか
- 前面歩道の歩行者数と速度は 適切か
- 前面道路は直線か
- 看板の取り付け位置は見やすいか
- 看板の取り付け幅は十分か
- 店頭に置き看板は置けるか
- 袖看板はあるか。取り付け可能か
- 店頭間口はどのくらいか
- 店頭または歩道に余裕はあるか
- 周辺に障害物はないか
- 周辺および同ビル内のテナントは適切か
- 入口はどちら側か
- 入口は専有か、共有か (専有階段はあるか)
- 入口に段差はあるか
- 店舗面積は適切か
- 店舗の形は使いやすいか
- 建物が古すぎないか
- 設備容量(電気ガス水道)は適切か
- 店舗工事はしやすいか。
- 日陰になりすぎないか。 西日があたらないか。
- 家賃以外に多くの費用がかからないか。
- 店頭または歩道には余裕があるか。
- 裏口はあるか。
- 駐車場はあるか。
居抜き店舗を活用しましょう!
店舗用の物件は、内装などがすべて撤去された スケルトンの状態で貸し出されます。 しかし、撤去前の飲食店の内装や設備などが そのままの状態で借りられる場合があり、 このような物件を「居抜き店舗」と呼びます。
この居抜き店舗をうまく活用すると、開業時の内装 工事費を大幅に低く抑えることができます。 その上、設備は整っている状態なので、比較的、 短期間でオープンが可能となります。
居抜き店舗を利用するにあたっての注意事項 として、内装や設備の老朽化が進んでいると もちろん補修費用が発生します。また区画が そのまま使えるかどうか入念にチェックを 行わないと、余計にコストがかかってしまう 場合もあります。こういった居抜き店舗には大きな メリットもありますが、同様に注意点も数多く ありますので選ばれる場合は必ず専門家と 相談することをおすすめいたします。